今回は『増田こうすけ劇場ギャグマンガ日和』で有名な増田こうすけさんの作品
『あの頃の増田こうすけ劇場ギャグマンガ家めざし日和』を紹介していきます。
長年ギャグマンガ一筋で活動されている増田こうすけさんの自伝的漫画です。
漫画家さんの生い立ちを知ることはあまり多くないと思います。
ぼくも『ギャグマンガ日和』はいくつか読んだことある程度でした。
しかし、読んでみると作者は極度の人見知りで、
- バイト先の人たちと馴染めない
- 一日8時間労働なんて長すぎる
- バイトから逃げるために漫画を描き始めた
など共感できたり、今後の人生の参考になりそうなことも多くありました。
すこしでも共感できるところがあればぜひ読んでみてください。
内容について少しだけ紹介していきます。
概要
タイトル | あの頃の増田こうすけ劇場ギャグマンガ家めざし日和 |
著者 | 増田こうすけ |
出版社 | 集英社 |
発行 | 2022年 |
本作は『ギャグマンガ日和』で有名な増田こうすけさんの作品です。
増田こうすけさんの漫画家になるまでの道のりを『ギャグマンガ日和』のテイストで面白おかしく描いたものです。
読んでみると増田こうすけさん自身も『ギャグマンガ日和』のキャラクターのように個性的であることがわかります。
そのうえで漫画家になるきっかけや、そこに至るまで不安感などはリアルな感情であったことも伝わってきます。
もう少し掘り下げて紹介していきます。
人物について
漫画を読んで伝わる増田こうすけさんの人物像について紹介していきます。
この漫画は作者の増田こうすけさんがアルバイト先に馴染めないところから始まります。
一日8時間労働は長すぎる
なんでみんな平気なんだと
まずここに共感できる人も多いのではないでしょうか。
バイト先で馴染めない、とにかく目立たないように気をつける。
そんな生き方に僕も心当たりがあります。
だから作者は逃げるように漫画を描き始めます。
強い夢を持って、漫画を描き始めたわけではなかったんですね。
生きるために自分に残された手段を模索して、結果残ったものが漫画だったのです。
工場勤務時代
果てしない
バイトって果てしないな
オレ アルバイト 向いてない
漫画賞の選考に残ったあとでも、なにかが大きく変わることもなく、短期のアルバイトを繰り返していたなかでのセリフです。
自分にとって苦手なこと、他者との違いを認識する瞬間があったことがわかります。
このあとも漫画を描いていくことで、自分のできることを探していくことになります。
漫画賞をとって
マジで…?
何でだ……?
何で
何でマンガのことだけこんなうまくいくんだ?
様々バイトを経験しては、どこか馴染めなかったり、人並み程度にできなかったりしてきた作者です。
なぜか漫画についてだけは、順調に人に認められていくことが信じられないという場面です。
そこで気づきを得る、マンガ家なんてなれるわけないと思っていたが、もうマンガ家になるしかないと。
マンガ家になって
やること何にも変わらないような…
やるしかないけど…
オレ ギャグマンガ家になった
その後もマンガを描き続けることで連載を得ることになります。
そこでマンガ家になったことを自覚するのですが、それは作者にとって劇的な変化ではありませんでした。
本人にとっては、それまでとなにも変わらなかったのです。
周りから見れば大きな成功であり、人生の転機と見ることもできそうです。
しかし、そうは感じられなかった。
やるべきことはそれまでと変わらなかったんですよね。
でもそんななかで気づきを得る部分もあります。
逃げるように始めた漫画でしたが、本当は子ども頃から漫画家になりたかったのかもしれないということ。
強く明確に夢を思い描いたわけではなかったけれども。
ずっと漫画を読んできた、漫画を好きだった、そんなのもう漫画家になるしかないんだ。
夢の入口にたって初めて自分のやりたかったことに気づく。
夢や才能は、少しばかり輪郭を得て初めて自覚するものなのかもしれませんね。
得意なことの見つけ方
この漫画を読んで学べるのは「得意なことの見つけかた」です。
苦手ことは数多くあるのに、得意なことは一つとして見つからない。
あったとしても大したことがなく、人に自慢できるようなものではないと思っていませんか?
得意なことは自分とっては当たり前になっていて、見過ごしてしまうものです。
それに比べて、苦手なことは日常的に感じるし、他人を比較するのですぐに見つかるものです。
他の人は難なくこなしていることが、どうして自分にはできないのだろうと。
本作でいうと工場で働くということが、作者にとってはどうしてもできなかった。
でも漫画を描くことは「こんなのでいいのだろうか?」と思いながら、するすると周りから評価されていく。
自分とって得意なことは自分からは見つけづらい、そのことがわかる場面ですね。
まとめ
今回は『あの頃の増田こうすけ劇場ギャグマンガ家めざし日和』を紹介しました。
単刊でさらりと読めてしまう手軽さがありながら、内容もとても面白いものです。
社会に馴染めず苦心するところや、自分の才能に自身が持てないところなどは共感できる人もおおいのではないでしょうか。
ぜひ読んでみてください。
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