『漫画君たちはどう生きるか』周りの目を気にせずに生きる方法

『君たちはどう生きるか』は1937年に出版された吉野源三郎の小説です。

2017年に羽賀翔一によって漫画化された『漫画君たちはどう生きるか』がベストセラーとなりました。

この表紙を見たことがあるという方は多いのではないでしょうか。

戦前に書かれた小説ですが、考え方は現代にも通ずるところがあります。

ぼくが読んで印象に残ったところをピックアップして、どういった内容なのかの解説も含めて紹介していきます。

ぼくはこの本の内容を通じて、周りの目を気にせずに生きる方法を学びました。

こんな人におすすめ
  • いつも周りに流されてしまう
  • 自分を信じられない
  • 失敗を怖がりすぎて動き出せない

これらの特徴に当てはまる人に、ぜひ読んでほしいです。

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概要

タイトル漫画 君たちはどう生きるか
原作吉野源三郎
漫画羽賀翔一
出版社マガジンハウス
発行2017年

発行部数200万部以上のヒット作です。

この表紙を見たことがあるのではないでしょうか。

1937年に出版された児童文学が原作となっており、作中の時代背景も当時のものとなっています。

児童文学ではありますが、作中で問われる哲学は大人でも考えさせられるものです。

またその考えは、今の時代にも通ずるものであると感じました。

あらすじ

中学生の潤一は、家の近くに越してきた叔父の引っ越し作業を手伝っていた。

叔父は潤一と一緒に銀座へと出かける。

デパートの屋上から眺める景色には多くの人がいることに、潤一は気がついた。

そのことを聞いた叔父は潤一のことをコペル君と呼んだ。

コペルニクスからもじったもので、潤一の哲学に感心したからだ。

その後もコペル君は叔父から導かれるような言葉をいくつも受け取った。

ある日、コペル君は自分を受け入れられないような大きな失敗を経験する。

そのときに叔父から、ある1冊のノートを渡される。

そこには叔父からコペル君に向けられたメッセージが書き綴られていた。

それを読んだコペル君はもう一度、勇気を出すことを決意する…!

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作品のテーマと要約

作品のテーマはタイトル通り「君たちはどう生きるか」を読者に投げかけるものです。

それはどの様な選択をするかということであり、社会をどう捉えるかという問いかけでもあります。

作品を読んで感銘を受けた部分を抜粋し、3点要約して紹介していきます。

  • 大きな流れ
  • 勇気について
  • 自分で選択すること

大きな流れ

作品のテーマとしてまず挙げられるのは「大きな流れ」です。

コペル君は銀座のデパートの屋上から眺める景色に、多くの人が息づいていることを感じます。

それを「分子の結びつきのようだ」と表現しました。

世界は分子のように結びついた大きな存在であり、大きな流れのなかに存在している。

そして自分自身も、その流れのなかに存在している分子の一つだと言います。

また、次の章では大きな流れとして「いじめ問題」が取り上げられます。

自分の意志とは無関係に大いなる意志によって、流れが生まれそのなかにみんな生きています。

「いじめ」はまさにそういったもので、その流れに逆らうことの難しさを実感します。

この流れは時として、みんなを間違った方向に押し進めてしまう。

だからこそ、そこに立ち向かうには勇気が必要なのです。

解説と解釈

少し分かりづらいですね!

ちょっと要約していきましょう。

「いじめ」があったときに「それはおかしいじゃないか」と声を上げることは難しいですよね。

このように、なんとなく周りに合わせてしまう経験は誰しもあるはずです。

自分の置かれた環境には「雰囲気」や「空気」といった、「流れ」が存在しています。

この「流れ」は世界全体といった大きなものから、家族・仲間内といった小さなものに至るまで、常に存在しています。

そして自分とは、その流れのなかに身を置く、一個の小さな分子であると理解するべきだと言うのです。

自分自身は世界の中の一個の分子であるので、そこに逆らうことはとても難しい。

それは大きな川の流れに逆らって泳ぐようなものですからね。

このことを強く理解しておく必要があるという主張です。

勇気について

次の挙げられるテーマは「勇気」です。

先に書いたように「いじめ」があったとき、コペル君は立ち上がって否定することはできませんでした。

コペル君がなにも言えないままいると、クラスの友達に正義感の強い人がいて、「つまらないことはやめろ」と立ち向かっていくんです。

そこで勇気を出せなかった自分を情けなく思い、次に同じようなことがあれば自分から立ち上がろうと、コペル君は決意します。

話は進むと、その友達たちが、ささいなことをきっかけとして上級生に暴力を受けます。

そのときにもコペル君は友達たちと一緒に立ち向かおうと思うのです。

しかし、足がすくんで動き出せず、コペル君は上級生から暴力を受ける友達をただ遠くから見ていることしかできませんでした。

この経験が、強い後悔と自責の念を生みます。

友達を助けられなかったこと、せめて一緒になって暴力を受けることができなかったこと。

自分はなんて卑怯で姑息な人間なのだと考え、ふさぎ込んでしまいます。

しかし、その後にコペル君は勇気をだし、そんな自分に立ち向かっていきます。

解説

大きな流れのなかにいて、そこに逆らっていくのはとても大変なことです。

一度、後悔した経験から、次こそはと決意したのにやっぱり勇気がでない。

コペル君はそのことを悔いて一時学校に行けなくなるほどでした。

勇気が出せずに「あのときこうしておけばなぁ」と思った経験は誰しもあるはずです。

人生はそんなことの繰り返しですよね。

後悔しないためにできることは勇気をだすことだけなんです。

逆に言えば勇気さえあれば、人は行動できる。

間違った流れのなかにいて、そこに逆らうことの恐怖は計り知れないものです。

でもあとで後悔しないようにするには、勇気をだすしかない。

勇気をだして行動すれば、それを認めてくれる人がいる。

コペル君は友達と一緒になって上級生に立ち向かうことができなかった。

そのことを友達にまっすぐに謝ります。

それもコペル君にとってはとても勇気のいる行動でした。

そんな彼を友達はやはり受け入れてくれました。

結局、人が信じるものは勇気とか誠意とか、そんな少年漫画みたいなハートなんですよね。

自分で選ぶということ

3つ目に挙げるテーマは「自分で選ぶ」ということです。

タイトルにもある通り、「君たちはどう生きるか」という問いがこの本の主題です。

行動を起こすのはいつだって自分自身です。

でもその原動力はいつだって「誰かのため」という意志だったりもします。

そういう小さな意志の繋がりが世界を回して、それもまた大きな流れを作っています。

その流れのなかに自分も飛び込んでいけるか。

最後にそう問いかけているのだと思いました。

自分のために生きる、誰かのために生きることも重要なテーマです。

でもよち大きな視点を持って行動すること。

そういう視点はなかなか持てませんよね。

解説

これはよく言われるところの「メタ視点」または「メタ認知」だと感じました。

自分を俯瞰するように、一歩引いたところから自分を、そして世界を見ることができるか。

そうすることで正しい行動、意味のある選択というものが見えてきます。

その上で「どう生きるか」なんだと思います。

人は時として間違った方向に進みます。

それを知ったとき自分はどう行動するべきなのか。

自分のため、周りのため。

でも、それだけでは判断がつかないときもあります。

より広く高い視点で物事を見ることで、本当にやるべきことが見えてきます。

その上であなたはどう生きますか?

おわりに

自分らしい選択をするのは、とても難しいです。

時として間違ったこともするし、自分の意志とは反する行動もしょっちゅうです。

そこに大きな流れを見ているからなんですよね。

でも、そこを俯瞰してみたとき、本当に進むべき方向が見えてきます。

そうすることで周りの目も気にならなくなってきます。

失敗を繰り返すことでしか、人は成長できません。

本当に進むべき道を考える手助けとなってくれる。

そんな本だと僕は思います。

この記事では本筋の部分だけピックアップしています。

作中では、叔父からの手紙の内容も非常に重要なものです。

コペル君はそこから多くのことを学び取ります。

もしかすると、この記事の内容や思想が飛躍してものだと感じたかもしれません。

それは手紙の部分をすっ飛ばしているからです。

正しく内容を知るためにはぜひこの本を読んでほしいです。

きっと周りの目を気にせず生きる方法を学べると思います。

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プロフィール
この記事を書いた人
ふらっと

自由な暮らし「フラットな生き方」を手にするために、その行動や考え方をブログ内で発信中

・地方在住の33歳独身
・パチンコ店員
・HSS型HSP
・趣味は読書
年間200冊以上の漫画・書籍を読む。本好きというだけで図書館司書資格を取得した。

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