「常識」とか「当たり前」とかそういう言葉に息苦しさを感じていませんか?
そういった方に読んで欲しい本がオードリー若林さんの作品です。
オードリー若林さんというと、こんな印象でしょうか。
- 人見知りらしい
- MCもやっていて頭が良さそう
- 大人しそうな人
実はいくつかの本を執筆されていることをご存知でしたか?
そして思うはずです。
「芸人さんの本なんて対した内容じゃないんでしょう?」
いやいや本を読んで見るとその印象はガラリと変わるはずです!
生きづらさを抱えている人には読んでもらいたいです。
今、生きづらいと感じているならただじっと耐えてもなにも変わりません。
でも本を読むくらいの少しの行動で心が楽になるかもしれません。
なぜなら僕自身がそうだったので。
どれも普段は本なんて読まないという人にもおすすめです。
おすすめの理由も合わせてご紹介します。
なぜおすすめなのか
まず簡単になぜおすすめなのかを説明します。
そもそもHSPとはなんでしょうか。
HSPとは
HSPと呼ばれる人たちがいることをご存知でしょうか。
とても敏感な感性をもっており
- すぐに疲れてしまう
- 色々なことに気付いてしまう
よいうような特性を持っています。
全人口の5人に1人の割合で存在すると言われています。
僕自身もHSPの特性を持っていてとても生きづらいと感じていました。
HSPについてよく知らないという方はこちらの記事を参考にしてください。
若林さんもHSP
そして本を読んでみると分かりますが、おそらく若林さんもその特性を備えています。
服がちくちくする感覚があってセーターが着れないとか、周囲の人たちへの感じ方などにその片鱗が見られます。
僕自身は読んでみて驚くほど、共感する部分がありました。
自分だけじゃなかったんだと思うととても心安らぐ気持ちでした。
だれにも共感されず世界に自分だけが苦しい思いをしていませんか?
そういう思いを抱えた方におすすめしたいです。
それでは本の紹介をしていきます。
『社会人大学人見知り学部卒業見込』
売れない芸人としての長い下積み時代における、
- 世の中に対する不満
- 澱のように溜まった、妬み嫉み
- やり場のない負の感情の処理の仕方
などを書いていたりします。
そして、芸人として売れてきて社会の一員となりつつも、そこに上手く適応出来ない葛藤を抱えることになります。
そこに出口を探して、若林さんなりの解釈や答えを文字にしています。
人との関わり合いのなかで得た、成長や我慢の軌跡が見えたりします。
自分を納得させるように言い聞かせた言葉、唐突に理解する社会の仕組みなどに、読んでいてハッとさせられます。
社会の中で、理解出来ないシステムや、不条理に対しての言葉に
「そうだよ!それが言いたかったんだ!」
「よく言ってくれた!」
と心の中でスタディングオベーションを送ることになります。
そして、これを読んで最も思ったのは「自分だけじゃなかったんだ」ということでした。
誰にも言えないのその不満や納得出来ない不条理はこの本で浄化されるかも知れません。
一つ一つが細かく分かれていて、一項目あたり大体3ページ前後、時間にして2、3分で読み進めていけます。
文章も読みやすく、普段本を読まない人にもおすすめです。
『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』
この本は紀行文です。
若林さんがキューバへの一人旅をしたときのこと、その時に感じたことを日記のように綴った作品です。
キューバの自由奔放な人々や社会と、東京との対比をして「日本のこういうところがダメだな!」と言っているようでした。
それだけでなく、紀行文らしく現地の食べ物や土地、人々などを描写していてノスタルジックでエキゾチックな気持ちにさせてくれます。
話は飛行機の予約をしたり、ビザを取ったりするところからスタートしています。
いざ飛行機が飛び立つというところは、自分も一緒に旅に出るような気にさせてくれました。
2020年刊行版では描き下ろしとして「モンゴル、アイスランド、コロナ後の東京」が挿入されています。
モンゴルの話はキューバの話にも近く、大自然や遊牧民の人々との触れ合いを通して、やはり日本との違いを言葉にしてくれています。
個人的に気に入っているのが、アイスランド編です。
アイスランド編ではオーロラ、間欠泉、そして若林さんが見たかった「あるもの」を見に行くという話です。
これは他二編とは少しテイストが違います。
声を出して笑ってしまうような、コメディだと思いました。
お笑い芸人の面目躍如といった快作です。
日記のような内容ですので、ただ文章を読むだけというのが苦手なら、こちらを読んで見てはどうでしょうか?
心を開放的にしてくれる作品だと思います。
『ナナメの夕暮れ』
質的に『社会人大学人見知り学部卒業見込』の続編にあたるといえます。
雑誌「ダ・ヴィンチ」で連載されていたのですが、書けることがなくなったとして休載されます。
その休載までを集めたものが『社会人大学人見知り学部卒業見込』です。
そして、後に筆を執って書かれたものをまとめたのがこの『ナナメの夕暮れ』です。
単純に時間が進み、人間的成長(本人曰く年を取った)をしてさらに思ったこと、感じたことがより深く描かれています。
自分なりに社会の不条理に対する解釈や答えを得て、それなりの世の中のことに納得して、それでもやっぱり理解できないことがあったり。
そういった内容が書かれていきます。
以前よりも鮮烈な印象は薄れ、心に染み入るような作品になったかなと個人的には思いました。
「夕暮れ」という表現にも納得です。
続編と表現しましたが、こちらから読んでも全く問題ありません。
むしろ執筆年代はこちらの方が現在に近いので、より新鮮でリアリティを持って読めると思います。
読んでみて思うこと
私自身「オードリーのオールナイトニッポン」のラジオリスナー(リトルトゥース)です。
簡単に言えば1ファンです。
そういった人間の評価というのは、正直アテになりません。
それでも言わせて下さい。
その贔屓目を差し引いても、これらの作品から得られる共感はすさまじいと。
どうしてこの本にもっと早く出会わなかったのかと思いました。
そして、そういう思いを抱えている人はたくさんいるんだと気付きました。
なぜそういう人が多くいて、その人達が守られる社会にならないのか。
作中の言葉を借りると「そういう人は人前に出てこないから」だそうです。
そういう人たちはあまり主張しないですしね。
- 息苦しさを抱えている方、
- どうして皆平然と生きているのか不思議な方
- 誰にもこの気持は理解してもらえないという方
自分の中に解決を求めるより、誰かの通った道を歩いた方が楽だと思います。
若林さんは作中でこう表現しました。
「本はビート板である」と。
なにかをする時の助けにはなるけど、それ自体で全てが変わるわけじゃない。
その助けを得てどう生きるか、それは自分自身で学ぶべきものです。
ちょっとくらい誰かに頼ってもいい。
社会なんてとんでも巨大海原なんだから、ビート板くらいはこっそり忍ばせておきましょう。
だってこんなに生きづらいのだから。
まとめ
以上、HSPさんに向けての「若林さんの執筆作」の紹介でした!
どれも読みやすくなっていますので、本を読まない人にこそ読んで欲しいです。
HSPさんは普段心を隠すをように生きているいますよね。
心の内側に触れられる本を読むという行為は、HSPさんにとても向いています。
ぜひ読んで同じように共感を得て欲しいです。
もし感性が合っていれば、1ページで引き込まれます。
本屋さんで冒頭だけでも立ち読みしてみてはどうでしょうか。
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